クラテッロの後はモデナ郊外のバルサミコ醸造所へ。イタリア語でアチェタイアと言います。
ぶどう畑を見下ろす眺めの良い作業場。
この鍋でぶどう果汁を煮詰めます。
こちらではトレッビアーノとランブルスコの両方を使用しているとのこと。
ぶどうは新芽が出始めたばかり。
実った光景はさぞ美しいことでしょう♡
バルサミコの色から黒ブドウを使用していると思われていることが多いのですが、
白ブドウのトレッビアーノも使用しています。
煮詰めて、樽熟成して褐色な色に。
当主のイルドさんに案内していただきました。
煮詰めたぶどう果汁(モストコット)を樽に移し、1年毎に別の樽に移し替えていきます。
樽に使用される木材は、栗、桑、樫、トネリコ、桜など様々。
バルサミコ作りがワインと違うところは、温度管理をしていないところ。
窓が開く2階のスペースは、夏は暑く、冬は寒くなります。
樽には穴が開いていて、布が一枚かかっているだけ。ここから水分が蒸発し、バルサミコに濃度がついていきます。
年数を重ねる度に、その量は減り小さな樽へと移し替えられ、最低12年熟成させます。
DOP認定のAceto balsamico di modena tradizionaleを名乗るためには審査があり、基準を満たしたものだけが
トラディツィオナーレとして認められています。
が、こちらのイルド氏、DOP認定にお金がかかりそれがバルサミコの値段に上乗せされることに意義を覚え、
協会を離れたという方。
なので、彼の作ったバルサミコは認定マークもあの丸っこい瓶にも入っていません。
とても良心的な価格です。
この辺りでは家庭ごとにバルサミコを仕込んでおり、子供が産まれるとその年のバルサミコを贈るそうです。
これはダビデ君のですね。
成人したら家族みんなでお味見をしてお祝いするのだそうです。
イルドさんは研究熱心、こちらは彼オリジナルのジネープロ(ねずの木)の樽のみで熟成させたバルサミコ。
香りが独特で、お肉料理に良く合うんだとのことでした。
見学後、奥様のクララさんがテイスティングをさせてくださいました。
12年、25年、さっきのジネープロのも。
芳醇な香り、味わい、年月を経て熟成を重ねたバルサミコは本当に美味です。
最後に記念撮影。
手間と年月を要するバルサミコ作り、先ほどの価格の問題や後継者不足などいろいろと問題もあるようですが
歴史ある食文化がこれからも引き継がれていくことを願って止みません。
ACETAIA CLARA
Via S.Antonio,60
Torre Maina di Maranello
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